平成27年11月16日付け発行の業界紙にて、大手LPガス販売事業者のガス料金メニュー公開報道がありました。
電力とセット販売に基づく料金メニューを平成28年1月を目処に発表との報道です。
対象は、『自社顧客を除く』新規契約のものに限るようです。
「えっ!新規営業の売り込み価格だけ?」と思う方も多いかも知れませんが、此はとても大きな1歩です。なぜなら、今後、新規契約料金と既存顧客とのガス料金乖離を是正せざるを得なくなるからです(※飽くまで乖離がある場合です・・・。)。
今まで、新規契約者が契約後にガス料金の値上げをされても、その時点での新規契約料金の証拠確保が難しく『二重価格』を証明できませんでした。ガス会社が一方的に通知する値上げを泣き寝入りで受け入れざるを得なかったわけです。しかし、その新規契約料金が公表されることは、値上げ時点の同条件の契約料金が証明できることとなり、不当値上げを防止する効果が望めます。消費者契約法、特定商取引法、独占禁止法の違反証明のハードルが下がり、ともすると値上げ相当分の『利得返還請求』も可能になってきます。
確かに訴訟となれば、過去の判例が無く難しい問題も有ります。しかし、訴訟対価は、仮に5,000円値上げされ60ヶ月間請求を受けていた一般消費者が返還を求めた場合、請求額は300,000円にも上ります。10人集まっての集団訴訟なら3,000,000円となり、弁護士費用を十分吸収する事が出来ることになります。しかも勝ち目があるのです。
過去に話題となった『過払い金返還訴訟』と同じ構図で請求者が頻発するかも知れません。
自社の『標準料金』ではなく、『新規契約料金』であるとは言え、大手LPガス販売事業者として初めて一般公開する英断に心からの賞賛を贈りたいと思います。