平成27年6月11日の第189回第16号国会参議院経済産業委員会に於いて、
宮沢洋一経済産業大臣は、標準価格を設定することも検討するという姿勢を政府が示すことによって、LPガス業者に料金を分かりやすい形でしっかり公表することを自主的にさせていくと発言し、(下記住田部長の指摘するような)トラブルが続くようであれば、LPガス標準価格の設定を検討すると示唆しました。
住田孝之資源エネルギー庁資源・燃料部長は、「LPガスの顧客獲得に当たりまして、消費者に対して説明が十分でない、あるいは強引な勧誘をするといったようなことが起き、切り替えた後にトラブルになるような事例がございましたり、あるいは、特定商取引法によって禁止をされていますいわゆる不実勧誘、不実のことを告げる行為を禁止した規定でございますが、これに該当するような悪質な事例も見受けられるところでございます。こうした事例によってLPガス産業の信頼を損なうということになりますと大変なことでございますので、消費者庁など関係省庁と協力をしつつ対処をしてきているところでございます。また、消費者とのトラブルを未然に防止するという観点から、業界団体を通じた料金の透明性の確保を促しているところでございます。さらに、いわゆる液石法そして特定商取引に関する法律に基づきまして、消費者に対して契約に関する適切な説明など、取引の適正化に向けた義務付けを行っているところでございます。なお、LPガスの小売事業の業界団体でございます一般社団法人全国LPガス協会におきましては、自らが策定をいたしましたLPガス販売指針がございますが、こちらの方、この三月に改定をいたしまして、ホームページなどで料金の透明性を確保するということを明記をしたほか、販売の適正化についても明確化を図っておるところでございまして、業界が一丸となって取り組むよう更に指導してまいりたいと思います。」とLPガス顧客獲得の契約トラブル、LPガス価格の透明性について発言しました。
大臣、資源・燃料部長どちらの発言もLPガス価格の透明性を求めた発言ですが、LPガス販売指針では、LPガス料金を公表するよう「努めること」を求めているに過ぎず、一般社団法人LPガス協会が主導的立場で積極的にガス料金の公開を行う姿勢はありません。ホームページを持たないLPガス事業者への支援さえ無いため、ガス料金の自主的な公開の動きなど全くありません。実際、弊社が茨城県内で初めてLPガス料金の公開を行ってから1年以上が経過しますが、弊社に追随してLPガス価格の公開を行った事業者は、茨城県内で1社もありません。LPガス事業者の自浄作用は失われたままであり、差別価格の改善への道のりは、まだまだ遠いようです。
宮沢洋一経済産業大臣、上田隆之資源エネルギー庁長官、住田孝之資源エネルギー庁資源・燃料部長、山本和徳石油流通課長、田久保憲彦石油流通課企画官に於かれましては、早速、LPガス業界を改善してくれることを期待しています。
※宮沢洋一大臣の発言は、生の政治家としてのご発言であったようです。議事録では分かりませんが「トラブルが続くようであれば、地域をどの程度細分化するかというのはまた難しい話があろうかと思いますけれども、そういうことも検討するという姿勢を政府が示すことによって、業者にしっかりと、まさにホームページで料金をしっかり公表する、しかもそれは分かりやすい形で公表するというようなことを自主的にさせていくということ」とは、LPガス業界を憂いての発言であり、それに応えきれないLPガス業界への発破であろうかと推察します。