LPガス業界で初となる「逸失利益」が認められた事案について、その事件概要などを公開させて頂きます。
この様な内容を載せると、弊社が乱暴で怖い会社の様に思うお客様も居るかも知れませんが、決してその様な事はありません。
話し合いで解決しようと試みたのですが、アパートオーナー様は「新ガス会社に任せている」として全く話し合いに応じて貰えませんでした(商品も返らず、1円の支払いも受けられませんでした。)。
契約によって行った弊社の設備投資を全額踏み倒し、泣き寝入りを企図された様です。
結局、LPガス業界の商慣行である「無償貸与」に問題の原因があるのですが、弊社の料金プランでも残っているように、お客様側(一般消費者やアパートオーナー)の需用が現実的にあり、理想だけで100%廃止できないのです。
また、本件事例に基づき、全事業者の「ガス料金の公開」を強く求める上申を行う旨、経済産業省と調整に入りました(資源エネルギー庁に打診し、弊社からの素案を作成中です。)。
以下は、お客様のお耳汚しになるかも知れませんので、ご興味のある方のみお読み下さい。
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【事件概要】
前LPガス供給会社(原告GS)が、ガス供給先である20世帯のアパートの不動産所有者(被告A)に対し、中途解約に伴う清算金153万6150円及びガス供給設備の無断撤去による逸失利益51万2216円の支払いを求めた裁判。
原告GSは、被告A所有のアパートに対し、ガス給湯器及び工事費を負担する契約を結び、その契約に基づき153万6150円相当のガス設備を「無償貸与設備」として設置した。被告Aが原告GSとの契約を中途解約する場合、解約と清算金の同時履行とする旨を取り決めていた。
被告Aは、新ガス供給会社Bを通じ、平成25年10月、原告GSに対し中途解約を申し入れ、独自の計算方法に基づき13万3718円の支払いを原告GSに申し入れた。
被告Aは、平成25年10月、清算合意の無いまま原告GSからの「無断撤去の警告」を無視して、アパートのガス供給を原告GSから新ガス供給会社Bに切り替えた。
【裁判所の判断、和解内容】
1、被告Aの主張である液石法及び独占禁止法及び公序良俗違反は、被告Aに一方的不利益を課したものでも著しく高額な金額でもないため採用できない。また、液石法に関しては、被告Aがアパート経営者であり「一般消費者等」にあたらないため二重の意味で採用できない。
2、被告Aの主張である原告GSの詐欺による錯誤無効及び詐欺取消しは、それを基礎付ける主張立証が無く理由がない。
3、原告GSの主張する逸失利益について、単に被告Aの清算と同時履行の契約に反したガス供給の停止では足りず、被告Aに清算と同時履行についての原告GSに対する、著しく不誠実な対応等が認められる場合と解するべきで、本件逸失利益の事由があると認められない。
4、控訴審の和解交渉によって、被告Aは、無断撤去及び著しく不誠実な対応等があったことを認め、原告GSに対し、本件逸失利益金として5万円を支払う。
5、一審判決及び和解交渉によって、被告Aは、原告GSに対し、本件清算金として153万6150円の全額を支払う。
6、和解調書は、裁判所及び行政庁を除き開示しない。
7、和解内容は、当事者及び新ガス会社Bを特定できるような方法で、第三者(この場合、新ガス会社Bも含まれます)に対し開示しない。
東京高裁第4民事部:事件番号平成27年(ネ)第****号、東京地裁平成26年(ワ)第****号