つくば市郊外の中華料理店様に対し、プロパンガス供給の条件提案を致しました。
他社からの取引変更の事案でしたが、残念ながらキャンセルとなりました。
当て馬にされた事案でもありますので、他のお客様に真似して欲しくありませんが、現プロパン会社でも交渉によって十分ガス料金を値下げ出来る証明ですので、お客様自らの価格交渉にお役立て頂きたいと思います。
ご提案条件は、国際価格であるサウジCPに完全連動性としました。
基準価格を従量料金181.18円/㎥(都市ガス換算:82.35円/㎥)でご提案しました。
原料調整は、2015年9月サウジCP$315、2015年10月TTS円$為替124.84円、フレート・税改正増減を完全に反映させます。
平成27年12月検針分の価格は、204.15円/㎥となります。
想定使用量:300㎥/月 (月間使用量が100㎥を下回る場合基準価格を240円/㎥に修正。)
弊社設備投資は、一切無し。
弊社から極めて近隣(ごく近所)であったため、配送経費を50%減で見ています。
現プロパン会社との折衝が不調に終わったため、ガス供給設備などの清算交渉も出来ず、やむを得ず1週間ルールに基づく契約変更で進めるしか有りませんでした。
お客様から検針情報を見せて貰えず、現行価格を従量単価220円/㎥前後と口答で伺っていましたが、偽りであったようです。
ガス供給設備の発注のため、変更前の最終確認を行ったところ「**社(現プロパン会社)から連絡いっていませんか?安くなったのでキャンセルします。」と一方的なお話しを頂いたからです。
お客様とは言え、余りに酷い対応に驚きましたが、ガス料金が安くなったことはとても良いことだと思います。
現プロパン会社もかなり無理な価格提示をしたようですので、結局、数ヶ月でガス料金が値上がりしないことを願うばかりです。
【本件で浮き彫りになる問題点】
確かに現プロパン会社のままガス料金が値下がりしました。
では、何も問題点はないのでしょうか?
現プロパン会社の値下げ提示は、このお客様ただ1件にだけ行われましたが、とても危うい行為です。
もしかしたら、契約維持のため赤字覚悟の価格提示であったかも知れません。その赤字分は何処で穴埋めするのでしょう?
ともすると、解約を回避するために「今だけ」値下げ提示して、後々価格を戻していくのかも知れません。
では、重要なことは何かと言えば、
①契約書にガス料金が記載されていること、②ガス料金の価格改定基準が明確であること、がとても重要な契約条件です。
目先の価格提示だけでなく、ガス料金の透明性と契約内容を十分気を付けるべきです。
プロパン業界では、兎角、新規参入プロパン会社が非難されることが多いのですが、現プロパン会社が信頼できるとは限りません。
現プロパン会社が引き留めのために1件だけ値下げ提示することは、悪質な新規参入プロパン会社の「売り込み価格」や「差別価格」と何ら変わらない行為です。
誠実な対応を行っているかは、プロパン会社のスタンスであって、新旧の違いではありません。
現プロパン会社のガス供給実績は、実績から安心感があると同時に「黙っていれば高かった」との不誠実の実績でもあるのです。
新規参入プロパン会社の多くが、「契約後数ヶ月で値上げ」や「既存顧客との差別価格(悪い意味で)」を行っている実態も否定できませんが、ガス料金の価格競争そのものが悪いわけではないのです。
現プロパン会社も飛び込み営業や価格競争を非難する前に、自社のガス料金を公開し、公平・公正なガス料金の値下げを実施すべきです。
蛇足となりますが、LPガス協会も価格競争を非難する活動ではなく、もっと一般消費者の利益確保のため、ガス料金の透明性に力を入れて欲しいです。
ガス料金の価格公開状況が、茨城県で弊社ただ1社の寂しい状況を早く改善して欲しいです。
プロパンガスを販売する全事業者が、ガス料金を公開し、適正な競争環境が構築されることを切に願っています。